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中村真生子の部屋


[2] ロウバイの花
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]

ほんとうに久しぶりの青い空。

まだところどころに雪が残る

温泉街を抜けて

いつものカフェに向かう。

風は冷たいけれど

空は青く美しく…。

ふと見上げるとロウバイの花。

山茶花の赤や白ばかり目につく通りで

眩いばかりの黄金色。

咲いていたのは

廃業となった旅館の玄関先。

いつの頃から誰のためともなく

花弁をほころばせることが

常となってしまったロウバイたち。

今年もひっそりと

けれど楽しそうに咲き誇る。

美しい花を咲かせたことより

美しく咲こうとした自分を愛しむように…。

2012/01/31 (Tue)

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