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中村真生子の部屋


[209] トマトの匂い
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]


ほったらかしにしていた

小ぶりのトマトが3つ。

サラダに入れようと

トンと包丁を入れる。

酸味を帯びた

青くさい匂いが広がり

ミルク色の霧のように

懐かしさが立ち込める。

去りゆく夏が懐かしいのか

それとも遠い日に

畑でもいで食べた思い出か…。

夏休みに出会った友に

さようならを言う日のような、

しまって忘れていた

子どもの頃の宝物のような、

トマトの匂い…。



2012/08/30 (Thu)

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