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中村真生子の部屋


[236] 実りの秋
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]


朝、山を越える列車に乗る。

田んぼは

実りの季節を迎えて

金色の輝き、

あるいはすでに刈り取られ、

山間のそば畑には

一面の白い花。

実りの秋が車窓に広がる。

東側の窓を見ると

カーテンが閉められていた。

その隙間から

絞りたての

エキストラヴァージン

オリーブオイルのような

黄金色の光が

床にとろりと流れ込む。

列車が揺れるたびに

とろりとろりと…。

列車の床も実る秋。


2012/09/28 (Fri)

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