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中村真生子の部屋


[279] ハロウィン
詩人:中村真生子 [投票][編集]

10月最後の日の夕方。

玄関のチャイムが鳴り

インターホンを通して返事をすれど

返事がない。

誰かなと扉を開けると

6人ほどの近所の子ども。

「お菓子をくれないと、いたずらするぞ」と

例のセリフ。

ああ、そういえば今日はハロウィン。

すでに何軒か回ったらしく

たくさんのお菓子を持っていた。

あらあらと思い

ちょうどあった

小袋入りのお菓子を6つ渡すと

みんなで分けて

おとなしく退散してくれた。

去年までは訪ねてこなかった

小さな魔女やお化けたち。

田舎町の町はずれにある

小さな我が家さえも

遠い国からやってきた魔女たちに

ついに見つけられてしまった。



2012/11/10 (Sat)

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