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中村真生子の部屋


[280] 残照の森
詩人:中村真生子 [投票][編集]


桝水高原を左に折れ

トンネルを抜ける。

一の沢、二の沢、三の沢…

沢を抜けるごとに

深まりゆくブナの林。

白とグレイの幹に

黄金色の葉…。

山頂の冬と麓の間に

昼と夜の間のような

黄金色の残照。

美しいという言葉と

懐かしいという言葉が

二重螺旋となって

湧き上がる。

遠い昔

こんな森で

こんなふうに森を見ていた。

そんな想いに翻訳されて…。


2012/11/12 (Mon)

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