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中村真生子の部屋


[41] 移ろい
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]

移ろい
文具店でうろうろしていると

レター用品が目に入る。

おぼろげに顔が浮かんで

ミモザの絵柄の葉書を手に取る。

またおぼろげに顔が浮かんで

桜の絵柄の便箋を手に取る。

クリスマスの絵柄の葉書と

雪景色の絵柄の便箋も

冬の初めに

そんなふうに買ったのだろう。

おぼろげに顔を

思い浮かべながら…。

届けられた

冬模様の便りの上に

時間が静かに降り積もる。

ミモザの絵柄の葉書と

桜の絵柄の便箋を手に取り

少しずつ冬がおぼろげになり

少しずつ春になっていく…。


2012/03/09 (Fri)

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