移ろい文具店でうろうろしているとレター用品が目に入る。おぼろげに顔が浮かんでミモザの絵柄の葉書を手に取る。またおぼろげに顔が浮かんで桜の絵柄の便箋を手に取る。クリスマスの絵柄の葉書と雪景色の絵柄の便箋も冬の初めにそんなふうに買ったのだろう。おぼろげに顔を思い浮かべながら…。届けられた冬模様の便りの上に時間が静かに降り積もる。ミモザの絵柄の葉書と桜の絵柄の便箋を手に取り少しずつ冬がおぼろげになり少しずつ春になっていく…。
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