詩人:康介 | [投票][編集] |
「誰のせいでもない」なんて
そんなことは思えなくて
「僕のせいだ」と思いたくて
こんな風にしか想えなくて
会いたい
会えない
見つかってほしい
見つからないでほしい
忘れたい
忘れたくない
もう2年か
まだ2年か
誰のせいでもないなんて
会えないことなんて
見つかったってどうしようもないことだって
忘れられちゃうことだって
忘れちゃうことだって
わかってるんだよ
それでも
それでも生きてかなきゃなんねんだ
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ああ
僕の世界はこんなにも
簡単に崩れ去ってしまうのか
恐怖で眠れなかったのは初めてだった
朝なんか来なければいいと本気で思った
もしかしたらこれは夢で
朝起きたら何事もなかったように町は廻っているのかもしれない
そう思って瞼を開けたら
太陽に照らされて町が縁取られてた
僕が22年間過ごしたこの町は
瓦礫とヘドロで塗りたくられた
別の世界みたいになっていたんだ
ところどころにある町の面影なんて
残さなくてよかったのに
そしたら別世界だって思えたのに
詩人:康介 | [投票][編集] |
電子音
鳴るたび少し
期待する
彼が来たなら
コンビニデート
AIKU100307
…季語とかナニソレ?レベルなんでもうスルーの方向で汗
職場でデートなんて!くっ
詩人:康介 | [投票][編集] |
自殺をするのは
死にたい理由があるからじゃない
死にたくない理由がないからだ
だから僕は死ねなかったし
だから彼女は死んだんだ
僕は彼女の生きる理由になれなかったんだ
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靴音だけでわかった
あなただと
香水の残り香だけでわかった
あなただと
後ろ姿だけでわかった
あなただと
声を聞かなくてもわかった
あなただと
声を聞けばわかった
あの人と 話しているのだと
詩人:康介 | [投票][編集] |
自分はいつもいつも加害者だと
自分はいつもいつも悪者だと
それがどうしたと彼女は言った
部屋は吹雪で揺れて
僕はストーブに火をつけたくて
でも彼女が融けてしまうから
スイッチを押す手を引っ込めた
自分はいつもいつも邪魔者だと
自分はいつもいつも迷惑者だと
それでもいいと彼女は言った
僕は何を言いばいいのかわからなくて
彼女を抱きしめたくて仕方なかったけど
熱をもつ僕は彼女に触れることすら許されなくて
抱きしめるべき手を引っ込めた
自分はいつもいつも嫌われるけど
自分はいつもいつもそれに耐えてきたけど
君にだけは嫌われたくないと彼女は言った
熱と寒さに震える僕を
彼女は優しく抱きしめた
涙を流すように少しずつ
彼女の存在は融けて消えていった
僕は消えた彼女を掬おうと
冷たい水溜り手を伸ばして
その濡れた掌で冬の空を抱きしめたんだ