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意味もなく朝早くに目が覚めた。
特に用事も無いのにね。
テレビの占い、結果が悪かった今日は普通な日。
昼下がり、散歩がてらと外に出る。
目的地は無いのだけれどね。
ふと立ち寄ったレンタルビデオ屋、懐かしいアニメを見つけた。
たそがれ時、ビデオ片手に帰り道。
すれ違っていく景色に、会釈して。
今日はやっぱり普通な日だったね。と
夕飯時、買ってきたおつまみとお酒。
それらをちびちびやりながら、ビデオを見よう。
十何年振りかに見たアニメ、懐かしくて、おもしろくて、昔よりもっと好きになった。
気付けばまぶたも重たくて、時計の針も、見慣れない格好をしてしまってた。
ゆっくり流れるアニメにおやすみなさい。
今日はやっぱり少しだけ、良い日だったかもね。
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色のない世界がそのままで過ぎていく日々。
忙しいようなそうでないような日常。
ためておくと破裂してしまうから、左から右へ流し出していく
多分、大事な事も同様に。
気付いてない訳じゃないんだ。
ただすべてが
まっ白か、まっ黒いから、良く分からないだけなんだ。
世界はいつからこんなにも単調になったんだろう。
ただそれでも。
掘り返すタイムカプセルの中はいつも、セピア色にきらめいているから。
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アリバイを崩して
一歩踏みよってみたら
うめき声が聞こえた。
営業スマイルの奥に潜む
おんなじような本当の顔。
感じない世界が疎ましい。
きっと僕もそんな顔して
くたくたになってるんだろう。
欠落した感覚が戻らない。
これはもう結構前からだけれど。
左脳だけがいつもやかましい。
情報が走り抜けて逝く
ストレスだけが立ち止まる。
せわしなく流れる時。
そんな日常が普通で。
楽しかった事は大事にしまってある。
小さな頃の話ばかりだけれど。
つまらない事は全てゴミ箱へ
手のひらはいつも次捨てる分で塞がれている。
何がしたくてこうなった?
人間捨てても良い。とさえ思った
ぬるま湯につかるのも悪くないかも知れない。とも
ねぇ?昔の僕?
伸ばした手に掴めない物なんてない。
はっきりと言える。
必要なのは諦めじゃない。
踏み外してもいい。
偏差値なんかじゃはかれない物
本当の自分を見つめてくれ。
まともな大人になれなかった僕のアドバイスだけれども。
耳だけこちらに向けてくれ。
難しい事は言ってない。
芽をつんでしまってからじゃ
もう、遅くなってしまうから。
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例えば
たった2文字が言えなかったり
たった5文字が出て来なかったり
ほんの3文字で傷付けたり
ほんの2文字で命を奪ったり
時には
普通な5文字で温かい気持ちになったり
普通な2文字で恋が始まったり
言わなくても分かったり
言わないと絶対に分からなかったり。
それでも、それだから。
僕たちは言葉に依存したり、吐き捨てて、また拾ったり
時には傷付け、傷付けられ
考えて、考えて、考えて
『何も言わなければ、誰も傷付かない』と思って、けれど、何も起こらないのが退屈で、窮屈で
だからまた、言葉を用いて
大きな後悔と小さな成長を重ねて
そして今、思う事は
"拙い言葉でいい
温かい気持ちがいい"
ディスプレイ越しのあなたに今、この言葉が届く様にと。
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言葉の大海原。
その真中心から少しずれた辺りに
小さな 小さな
心がおりました。
ゆりかごの様な小さな舟の中、柔らかい布で、大事に大事にくるまれて
その大海原に、ゆらゆら揺られておりました。
時に海は、母なる優しさでゆりかごを包み
時には、神のいたずらの如く荒れ狂いました。
私のゆりかごは、いくつもの波風を越え、いくつもの優しさに抱かれながら、未だにゆらゆらと揺られており、ですがそれは"私の頑張り"と言うよりは、ほとんどが惰性の様な物であったと思うのですが。
この広い大海原の中には、途中で波に飲まれてしまったゆりかごもいると言う事、そして、近頃はそれが多いと言う事を、風が教えてくれました。
かといって、私は何かをする訳でなく
しいて言うなれば、ただただ思考の森を迷走する事くらいなもので。
今日も特に荒れる様子のない海の上、私はいつか自分も、波に飲まれてしまうのだろうか?と
好奇心に少し似た、恐怖をゆりかごに乗せて
この広い広い大海を
座標上での話をするなれば
上へ
下へ
右へ
左へ
しかし、決してとどまる事は無く
ゆらゆら ゆらゆら
漂っている。
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そして僕は何を考えただろう。
そして僕は何を伝えたいと願うだろう。
そして僕は何をしたいと願うだろう。
そして僕は何を考えるだろう。
そして僕は何をするのだろう。
そして僕は何をすべきだろう。
そして僕は何を聞くだろう。
そして僕は言うだろう。
それはつまり最後の言葉になるだろう。
しかしそれはこの世の本質からはズレているのだろう。
そして僕はそれを理解しているのだろう。
しかし僕は言うだろう。
しかしこれらはすべて、憶測の話であるからして、それは確定事項にはなり得ないだろう。
しかし僕は言うだろう。
おそらくそれは、至極普通で、多くの人間は、すでに聞き飽きてしまっている言葉なんだろう。
しかし僕は言うだろう。
なぜならそれは、ありきたりで有りながら、最も大切な言葉であるから。
だから僕は言うだろう。
それはきっと誰に向ける訳ではなく、しかし、全く知りもしない相手に向ける訳でも無い言葉。
それはきっと始まりの言葉。
だから
終わりの言葉にもしよう。
「ありがとう。」
を。
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愛がもし、目に見えて
手に取れたのならば
僕はきっと今の様に
漠然と求めたりはしないのだろう。
抱きしめてほしいだとか
キスしてほしいだとか
けれども最終的に
"愛が欲しい"と言ってしまうあなたにも
きっと愛は見えていないのだろうね。
この切ない気持ちが
あなたに伝わっているならば
きっと同様に
愛も伝わっているのだろうけど
あなたは今日も愛を探しているから。
僕もまた、あなたに渡せる愛を
探しているのです。
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秋にふる雨を"あきさめ"と
誰かが決めたらしい。
僕は雨に、特別な感情を抱く事はないのだけれど
それを決めた人はきっと、"秋にふる雨"に何かを感じたのだろうね。
秋にふる雨を"優しい雨"と
君は呼んだ。
僕は特別、雨を優しいと感じた事はなかったのだけれど。
君は少し目をこすって、"優しい雨"だと言った。
あの日君はすべてを話してはくれなかったけれど
なんとなく、悲しんでいる事はわかった。
だのに結局僕はと言えば、雨に打たれるだけで
君に気のきいた
優しい言葉のひとつも、かけてあげられなくて
何も言わない君の横顔が、秋雨に濡れて
余計に悲しく見えたんだ。
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この意味の無い世界に
産まれた僕は
また例外になれず
意味の無い世界に
溶け込んで行く
ありあまる喜びや
言葉でさえ
伴わない結末を前に
やはり例外にはなれない
僕の足痕もいずれ
君の傷跡もいずれ
風にさらされて
ああ。
永遠なんてないよ
と諭してみたり
永遠に続けばいい
なんて願う
未熟な僕は
仄広い宇宙の
ちいさな惑星で
今日も
水平線の見えない街の
8畳の部屋の窓から
それでも綺麗だと言える
この青い空を見上げている。
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僕らはきっとひとつなんだろう。
色も形も違うけれど
産まれて来てから死ぬまでの、辿る道筋は似ているだろう。
何かに悲しみ、涙して
何かに喜び、涙して
誰かと笑って、生きていて
過去に浸って、下を向き
未来を思って、悩んでる。
誰もが孤独と戦って
誰もが誰かを求めてる。
素直な君が羨ましい。
明るいあなたが羨ましい。
優しいお前も羨ましい。
僕らはきっとひとつなんだろう。
容姿も性格も違うけれど
生きてく中で感じる事
きっとそれは似ているんだろう。
どっかの国の金持ちと
どっかの国の働き者と
手にする物は違っても
求める物は似ているんだろう。
産まれたばかりの赤ちゃんと
100歳こえたおじいちゃんと
重ねた時間は違っても
求める物は似ているんだろう。
僕が誰かを求める様に
誰かも誰かを求めるんだろう。
僕らはきっとひとつなんだろう。
今はきっと少しだけ
ほんの少しだけひび割れてるけど。
ひとつがふたつにならないように。
心と心で繋がるように。
僕らはきっとひとつなんだろう。
見た目も言葉も違うけれど
産まれて来てから死ぬまでに交わす
『ありがとう』と『ごめんなさい』はきっと
きっと同じくらいなんだろう。