ホーム > 詩人の部屋 > きよたかの部屋 > コスモスの季節

きよたかの部屋


[7] コスモスの季節
詩人:きよたか [投票][得票][編集]

もうすっかり寒いのです。

君と歩いた道にあったコスモスも、もう刈り取られてしまいましたが
周りと色の違う土が、確かにそこが"そう"であったと、ものがたるのです。



はじまりは確か
君の言葉でした。


視界一面に広がるコスモス畑が見たい。と

結局、その計画は実行されずに
帰り道に咲いていた、少しだけのコスモスを見つけて
これじゃダメなの?と言った僕に
君は不満げな納得をくれました。



もうすっかり寒いのです。

去年の冬に君がくれたマフラーをして、いま僕は暖をとっているのです。
もう、ところどころがほつれてしまっているのですが、そこがまた良いのです。



もうすっかり寒いのです。

きっと君が見たかったコスモス畑は

もうすっかり、跡形もないのでしょう。

来年こそと言った、僕の言葉の意味も、もう

すっかり跡形も、ないのでしょう。







はじまりはきっと
君の言葉でした。



なのに、君以外の誰が
おわりに出来るのでしょう。







もうすっかり
 寒いのです。

2006/11/20 (Mon)

前頁] [きよたかの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -