詩人:梅宮 蛍 | [投票][編集] |
繰り返す代わり映えのない日々に
僕の足は次第に止まっていく
夢は夢だったよと 笑う日まで
あとどれくらい残っているだろう
「先に行くよ」と言った君の
淋しそうな横顔は 今もココに刺さってる
もがいても もがいても
カッコ悪さが抜けないなら
全部ぜんぶ笑い飛ばして
今を生きればいいと
声が聞こえた
繰り返す代わり映えのない明日に
ボクの身長は次第に縮んでいく
夢は夢だったよと 笑う日にさえ
太陽は微笑みかける きっと
長いトンネル 外は雷雨
独りきりの横顔が 今もココを震わせる
あがいても あがいても
悔しさが立ちはだかるなら
なにもかもを置き去りにして
今に生きればいいと
キミは泣いていた
長いトンネル 外は雷雨
「先に行くよ」と言った君の
独りきりの横顔が 今もココに刺さってる
もがいても もがいても
カッコ悪さが抜けないのは
全部ぜんぶ笑い飛ばして
過去を生きてきたせい
あがいても あがいても
悔しさが立ちはだかるのは
誰も彼も置き去りにして
明日を信じたせい
長いトンネル 外は雷雨
心を裂いて 雲の隙間に 光が
もがいても もがいても
カッコ悪さが気にならないのは
今も僕を待ち続けてる
君がいるから
あがいても あがいても
悔しさが立ちはだかるのは
今もキミを待ち続けてる
ボクの叫び
はしゃいだり 迷ったり
まだ落ち着かない僕(キミ)だけど
いつかきっと追いつくと
信じて走ってる
それはきっと そう遠くない日
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死にたいと
願い続けて
まだ死ねない
路地裏の犬は
目脂をつけて
白昼を
そぞろ歩く
容器に陽気
器用に起用
明日も明後日も
きっと大地に
しがみつく
馬鹿馬鹿しいや
生きたいと
唱え続けて
もう満腹
路地裏の猫は
アオと鳴いて
真夜中を
駆け抜ける
捗々しいね
メメント・モリも
忘れちゃったよ
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私のことばを あなたのメロディが彩る
みんなを巻き込む あの子のリズム
私たちはそれでいつも笑って
小さな部屋が ダンスホールになる
おばあちゃんも若返って
はら ナウなプレイガール
おじいちゃんは苦笑いね
このまま外に飛び出して
クラスの子も 同僚も
上司さえ巻き込んで
世界はクラブの喧騒
いつかこの子もおじいちゃんになって
やっぱりちょっと苦笑い
するのかしら なんて
気が早いわね
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ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 今日の日を鮮やかに 染め替えるよ
白く濁った目は総ての景色をぼやかしてしまうけど
きみが笑ってくれる日は
なんだかくっきりとして見えたんだ
ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 世界を鮮やかに 包み込むよ
悲しい事ばかりが耳に飛び込んでくる インターネットも 現実も
きみが笑ってくれる日は
距離を置いて息をつけたんだ
僕達は こんな時代に生まれたね
とても便利で とても豊かで きっととても恵まれてる そんな時代
知らないままではいられなくて たくさんのものを持て余して 疲れ切った そんな時代
ねぇ マチルダ
僕は今でも きみを探して時々泣くよ
街角に 道の向こうに 街路樹の影に
見慣れたワンピースが見えた気がして
走って近づくけど誰もいないんだ
ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 僕の時間を鮮やかに 止めてしまったよ
ねぇ マチルダ
悲しいニュースは 今も流れてる
ねぇ マチルダ
ねぇ マチルダ
愛してたよ
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雪解けの水を掬って腕を立てれば
手首を通って肘先から垂れた
袖の中に生まれた小さな水溜り
徐々に滲み出ていずれ無くなる
目が覚めるような冷たさとはよく言ったもので
そうだ 私は確かに
狂うほどに愛していた
憎むほどに狂っていた
しかし 思い返せば総て馬鹿らしい
私は確かに愛していたはずなのだ あれほどの激情で
なのに 私は今
目が覚めるような冷たさとは よく言ったもので
腕を濡らす水が清々しくて
どうしてか こんなに切ない
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何もない
2メートル四方にも満たない鉄の部屋の中
フロントガラスの向こうで電灯が僕を射す
黒い絵の具を薄く塗ったように
曇った夜空が広がる
時折聞こえる溝向こうの車の音
明日を引き連れて過去へと走る
ヘッドライトが右から左へ流れて
また消えた
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ふらりと揺れる星の中で
あなたと私 踊るの
騒々しいしじまの中で
火星だけがぽかりと浮かぶ
柔らかな風が
シフォンの裾を撫でていく
水の香りが
ココニイルヨとささやく様
笑うあなたの唇の端
甘い言葉もなく
ただ瞳の中に惑星の青が
そう、青い故郷があるの
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ハリボテの空に溜め息をぶつける
水色を塗ったくった棺の中
振り返れば短いものだったねと鶯が鳴くから
お前に何が分かると噛みついた
もう陽は沈まないし
昇ることもないだろう
名も知らぬ花の匂いが多少疎ましいが
一度眠ってしまえばまぁここも悪かない
思えば短い人生だった
鶯なんぞに言わせてたまるか
それを言って許されるのは
私だけだ
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何をそんなに苛立つことがあるのか 空が地を打ち据える
ときに激しく ときに弱く
私は部屋で独り じっと息を殺している
鞭の音 張り手の音 愛の音 哀しみの音
どんな音色とも思えるそれを
息を殺して聞いている
何がそんなに憎いのか 空が地を睨みつける
ジリ ジリ と 灼くほどに
私は部屋で独り じっとそれを見ている
白くて 全てが灰になりそうだよ
窓のこちら 快適で安全な箱の中から
ただ聞いている ただ見ている
ああ
ああ、そうか
あれ等が憎いのは地ではないのか
『私』達なのか
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薄紅の恥じらい
青き日々は真白の陰の中にある
窓の外 見る君の頬杖
眦に光る過ぎし刻の忘れ形見
人は還らじ
ただ征くだけ
空から鳩が舞い降りて
また飛び立つ