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梅宮 蛍の部屋  〜 新着順表示 〜


[46] トラジェディ。アンチ・シェア
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

しゃがみ込みたい
そんな時分に「立て」と言われると
心が折れる
もう一度歩き出す
そんな物語は 今の僕には重いんだ

ちょうどいい音楽が見当たらない

しゃがみ込みたい
そんな時分に「休んでいい」と言われると
胸がささくれ立つ
世界を呪うだけの
そんな叫びは 今の僕には辛いんだ

ちょうどいい音楽が見当たらない

寄り添わなくていい
誰も構うな
今は独りで居たいんだ

2025/06/11 (Wed)

[45] 崇拝と罪
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

ひきつめた髪の襟足から
こぼれる後れ毛の色香
惑わないあなたの優しさに
すべての刻が頭を垂れる
赦されたと思うのは
赦されたいと願うから
卑しく怯えるぼくは
その輝きをあなたに押し付ける
今日も きっと明日も

2025/06/11 (Wed)

[44] お別れを云うよ
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

うす汚れた黄金色と藍色のすきまに
ぼくらの夢は隠れてしまった

暗いあの道の真ん中で
きみはまだ立ち尽くしたままだろうか

もう夜が明けようとしているのに
小さな星がひとつ
かなしそうにポツンと輝いてる
きっと 帰るのを忘れたんだね

ほんのりと明るい街の中を
なごりを惜しむように灯る電灯が
等間隔にぼくを見送る

ねえ こんな日を
お別れ日和と呼ぶんだろうか

うす汚れた黄金色と藍色のあのすきまに
ぼくらの夢は隠れてしまったんだよ

2025/02/15 (Sat)

[43] 駆ける 〜ピンポンに添えて〜
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

繰り返す代わり映えのない日々に
僕の足は次第に止まっていく
夢は夢だったよと 笑う日まで
あとどれくらい残っているだろう

「先に行くよ」と言った君の
淋しそうな横顔は 今もココに刺さってる

もがいても もがいても
カッコ悪さが抜けないなら
全部ぜんぶ笑い飛ばして
今を生きればいいと
声が聞こえた





繰り返す代わり映えのない明日に
ボクの身長は次第に縮んでいく
夢は夢だったよと 笑う日にさえ
太陽は微笑みかける きっと

長いトンネル 外は雷雨
独りきりの横顔が 今もココを震わせる

あがいても あがいても
悔しさが立ちはだかるなら
なにもかもを置き去りにして
今に生きればいいと
キミは泣いていた





長いトンネル 外は雷雨
「先に行くよ」と言った君の
独りきりの横顔が 今もココに刺さってる





もがいても もがいても
カッコ悪さが抜けないのは
全部ぜんぶ笑い飛ばして
過去を生きてきたせい

あがいても あがいても
悔しさが立ちはだかるのは
誰も彼も置き去りにして
明日を信じたせい





長いトンネル 外は雷雨
胸を裂いて 雲の隙間に 光が





もがいても もがいても
カッコ悪さが気にならないのは
今も僕を待ち続けてる
君がいるから

あがいても あがいても
悔しさが立ちはだかるのは
今もキミを待ち続けてる
ボクの叫び


はしゃいだり 迷ったり
まだ落ち着かない僕(キミ)だけど
いつかきっと追いつくと
信じて走ってる





それはきっと そう遠くない日

2025/01/23 (Thu)

[42] ライティングライツ
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死にたいと
願い続けて
まだ死ねない

路地裏の犬は
目脂をつけて
白昼を
そぞろ歩く

容器に陽気
器用に起用

明日も明後日も
きっと大地に
しがみつく

馬鹿馬鹿しいや


生きたいと
唱え続けて
もう満腹

路地裏の猫は
アオと鳴いて
真夜中を
駆け抜ける

捗々しいね

メメント・モリも
忘れちゃったよ

2024/09/12 (Thu)

[41] ゆりかご・ダンスホール
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

私のことばを あなたのメロディが彩る
みんなを巻き込む あの子のリズム
私たちはそれでいつも笑って
小さな部屋が ダンスホールになる

おばあちゃんも若返って
はら ナウなプレイガール
おじいちゃんは苦笑いね

このまま外に飛び出して
クラスの子も 同僚も
上司さえ巻き込んで

世界はクラブの喧騒

いつかこの子もおじいちゃんになって
やっぱりちょっと苦笑い

するのかしら なんて
気が早いわね

2024/09/01 (Sun)

[40] マチルダ
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 今日の日を鮮やかに 染め替えるよ

白く濁った目は総ての景色をぼやかしてしまうけど
きみが笑ってくれる日は
なんだかくっきりとして見えたんだ


ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 世界を鮮やかに 包み込むよ

悲しい事ばかりが耳に飛び込んでくる インターネットも 現実も
きみが笑ってくれる日は
距離を置いて息をつけたんだ


僕達は こんな時代に生まれたね
とても便利で とても豊かで きっととても恵まれてる そんな時代
知らないままではいられなくて たくさんのものを持て余して 疲れ切った そんな時代


ねぇ マチルダ
僕は今でも きみを探して時々泣くよ

街角に 道の向こうに 街路樹の影に
見慣れたワンピースが見えた気がして
走って近づくけど誰もいないんだ


ねぇ マチルダ
きみの笑顔が 僕の時間を鮮やかに 止めてしまったよ

ねぇ マチルダ
悲しいニュースは 今も流れてる


ねぇ マチルダ


ねぇ マチルダ


愛してたよ

2024/09/18 (Wed)

[39] それは解放の証か、はたまた
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

雪解けの水を掬って腕を立てれば
手首を通って肘先から垂れた

袖の中に生まれた小さな水溜り
徐々に滲み出ていずれ無くなる

目が覚めるような冷たさとはよく言ったもので



そうだ 私は確かに



狂うほどに愛していた
憎むほどに狂っていた
しかし 思い返せば総て馬鹿らしい
私は確かに愛していたはずなのだ あれほどの激情で



なのに 私は今



目が覚めるような冷たさとは よく言ったもので

腕を濡らす水が清々しくて
どうしてか こんなに切ない

2024/06/06 (Thu)

[38] 日曜の夜
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

何もない
2メートル四方にも満たない鉄の部屋の中
フロントガラスの向こうで電灯が僕を射す
黒い絵の具を薄く塗ったように
曇った夜空が広がる
時折聞こえる溝向こうの車の音
明日を引き連れて過去へと走る
ヘッドライトが右から左へ流れて

また消えた

2024/05/26 (Sun)

[37] ワルツ
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ふらりと揺れる星の中で
あなたと私 踊るの

騒々しいしじまの中で
火星だけがぽかりと浮かぶ

柔らかな風が
シフォンの裾を撫でていく
水の香りが
ココニイルヨとささやく様

笑うあなたの唇の端
甘い言葉もなく
ただ瞳の中に惑星の青が


そう、青い故郷があるの

2024/09/13 (Fri)
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