天を衝く木々 影黒く隙間に刺す白き定規遥か足元で私が笑う岩間を梳く清流冷たく跳ねる稚魚は水と同じ色淡く香る花々の 小さきは星のやうで花粉を運ぶ虫たちが 遠く行き交う君の頬は赤く 生くる血潮の眩しさよ狭き世界にありて尚広大な夢を見る 仔 らの在ると疑わざりし明日の約束今は見えねどやがてまた そこに往く
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