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梅宮 蛍の部屋


[39] それは解放の証か、はたまた
詩人:梅宮 蛍 [投票][得票][編集]

雪解けの水を掬って腕を立てれば
手首を通って肘先から垂れた

袖の中に生まれた小さな水溜り
徐々に滲み出ていずれ無くなる

目が覚めるような冷たさとはよく言ったもので



そうだ 私は確かに



狂うほどに愛していた
憎むほどに狂っていた
しかし 思い返せば総て馬鹿らしい
私は確かに愛していたはずなのだ あれほどの激情で



なのに 私は今



目が覚めるような冷たさとは よく言ったもので

腕を濡らす水が清々しくて
どうしてか こんなに切ない

2024/06/06 (Thu)

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