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梅宮 蛍の部屋


[51] アンチカウンセリング
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

閑かな夜だった
詐欺師が一人やってきて
僕のお腹を裂いてしまった
痛みに向かうトンネルは
とても長くて光も無い
四方から聞こえる低い唸りは
反響しあって頭蓋を埋める
詐欺師の姿はとうに無く
穏やかな夜は壊れてしまった
トンネルの外には朝がある
痛みに満ちた陽の光
それでも僕は
夜の中にいたかった
いたかったんだ

2025/10/07 (Tue)

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