詩人:如月。 | [投票][編集] |
原色の娘さんは
鮮やか過ぎた緑の中
雨に濡れて
より原色 鮮やか
時にその原色激しくて
柔らかな
パステル文学
その原色文学に
落とした
始めは なんとなく
まるで初期の暮らしの
手帖のよなレトロちっくな
色彩 帯びて
僕たちは柔らかに
微笑み合えたんだ
そして その季節
降った激しい雨
原色やパステル
溶かして
流れ行く水の音は
その水彩か油彩の
匂い満ちて
ザーザー
時に電波な砂嵐のよな
音のよな ぐだぐだ
灰褐色となった
カラー 流れて行く
その物語の中を
僕は 原色があまり似合わないんだ
パステル色の方が
無難色
それが 気に入らなかったんだねと
ずっと見ていた
その原色の雨その向こう側の
事実に気付くまで
パステル色の雨音は
だんだん違う色彩と
変わる
とても透明で
夜空 蒼く
パステルも原色も消えた
無邪気さ通過した
文学世界は
もしかしたら
あの文学より
愉快だったのかもしれない
僕らが 事実に
無関係で 無関心で
いられたなら
空はより蒼くなり
あの季節から 遠ざかった