詩人:ℒisa | [投票][編集] |
満たされたら
見えなくなってしまうのカナ
手に入れてしまえば
ほろほろと
崩れて逝く
想いにも寿命が来るのカナ
満たされずに流した青春の涙は
今も切なく胸を焦がす
満たされて逝く事の悲しみ
矛盾した寂しさを笑うように
いつか還るのはその場所なのカナ
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長い長い間
夢を見ているみたい
私に人生などあるのだろうか
今までも
これからも
今も
心と体が一緒になる事があるんだろうか
いつか‥
いつかは‥
いつまで経ってもその
いつかなんて
来ないのかもしれない
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心無い優しさを
何度も受け入れてあげます
味の無い言葉を
味見しながら受け流します
そんな私は
弱い人間でしょうか
強い人間でしょうか
それとも優しい人でしょうか
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懐かしいドラマの主題歌
子供を卒業したと
思ってた子供の頃
シーマンていう
ペットを飼ってた
流れてたのはautomatic
使わなくなったポケベルに新しいPHS
足元にはルーズソックス
そんな時代
夏の香に溶けた
ウルトラマリン
キスの味は甘くもすっぱくもなかった
そんな話で一晩中盛り上がってた
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死にたいなんて
言うべきじゃなかった
根っから間違えていた
消したかったんだよ
記憶を
思い出す記憶は
何もかも嫌いだった
そんな思い出しかない
自分も嫌いだった
思い出すたびに
とにかく痛かった
苦しかった
悲しかった
怖かった
辛かった
逃げ出したかったのに
それは自分の中にあって
逃げ出せなかった
死ぬしかないと思った
間違えていた
根っから間違えていた
ずいぶん長いこと
それに気付けずに居た
反省
しなきゃなぁ
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お腹に耳を
あてる事も出来ないし
ましてや
そっと覗いて見る訳にもいかない
こんなに狭いところに居て苦しくないかな
ちゃんと大きくなっているのかな
手も足もちゃんと動かせているかな
お腹は空いていないかな
あなたの為とは言え
思えば今まで自分の体を
こんなに大切にした事はなかった
なんて馬鹿な事をしただろう
お腹にいるあなたを
こんなに愛おしく
こんなに大切に思うことが母性なら
私を産んでくれたママもきっと
私を大切に扱ってくれていただろうに
知っていたらきっと
もっと自分を大切に出来た
親の心、子知らず
きっと今頃
親指でもしゃぶって
すやすや寝ているかもな
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雨の臭いが
夜明けの切なさに
拍車をかける
生易しい初夏の温かさが
哀しみに酔う事も
許しはしなかった
そんな日は贅沢に
夜が更けるまで
繰り返し何度も
同じ曲を流し
繰り返し何度も
同じ痛みに耐えた
ポケットに
財布を放り込んで
汚れたサンダル
足に引っ掛けて
外に出ると紫陽花の香がした
ランドセル背負ったまま
蝸牛見つけて遊んだ
そんな下らない記憶が横切ってまた鍵を閉めた
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大人は間違ってなどいなかった
私たちはただ
幼過ぎた
知るべき事を知らず
恥ずべきでない事を恥じてた
あの頃
軽蔑していた大人と
すっかり肩を
並べたりしていた
大人たちは間違ってなどいなかった
私はただただ子供だった
冷めた現実ばかり語る
大人たちは
夢を見ない
理想の無い
悲しい生き物だと思ってた
幼かった私たちは
間違っていたわけじゃない
ただ何も
知らなかっただけ
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近付くほどに
見失ってしまうのが
人と人との関係だから
「綺麗…」
摘み取り押し花にしたあの花の行方の様に
手に入れたはずなのに
気付きもしないうちに
失って
いつか思い出は優しくて
はっとして愚かに
酷似したもので埋めようと探す
優しさは戻らない
無くしたのは
「綺麗…」そう呟いたその心