僕はうつむきながら宛もなくさまよっていた独りで違う世界へと旅立ちたかったそんな僕を引き留めるかのように必死で泣き続ける君雨音に消されそうになりながらも声を押し殺して君は泣き続けた僕に救いを求めていたまるで今の自分を見ているかのようで涙があふれた君を抱き「大丈夫だよ」と慰める君は感謝の気持ちを込めて僕の涙を拭う独りなんかじゃないよそう言っているかのように救われたのは僕の方だよ家へ帰ろう僕らはもう独りじゃないんだ
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