それは 誰もいなくなった教室それは スプーンが落ちた音それは 閉め忘れた水道の蛇口それは グラウンドに落とした涙それは 冷たい風のにおいそれは 雲が残したうすい影それは 孤独な太陽のぬくもりそれは さよならという言葉それでいて、僕たちは、本当の哀しみを知らない…。
[前頁] [彼方の部屋] [次頁]