詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
真夜中に
一人歩く私の後ろから
ゆっくりと車でつけてくる
憂鬱になる気持ちを落ち着けるように
タバコに火をつけた途端
ハイビームで急接近
行く手をふさいで
軽のミニバンからゴツイ男が3人も
一人は私の顔を
一人は自転車を
一人は足元を
ライトで照らしながら
品定めしている
『身分証明証は?』
『こんな時間にどちらへ?』
『家はこの近所ですか?』
一度にしゃべるなうっとおしい
イライラで返事に時間がかかる
途端に
『自転車を照合します!』
『手荷物を拝見!』
『お仕事は何をされていますか?』
だから一度にしゃべるな莫迦
あぁ ハタと合点がいった
もうこんな時期なのか
季節の変わり目をこいつらで知るなんて
人事異動の季節ね
赴任してきたのねお巡りさんのニューフェイス
なんとなくこの状況は
つれさられて涙した女の子の
気持がわかる気がする
紙一重なのは
コイツらか
どんだけ妖しいんだ私 の方なのか
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
いいひとでいたかった
君のいちばんいいひとで
ただそれだけの願い
もう僕は
どうでもいいひとだから
こんな後悔日誌
だけど残る願い
運命の糸くずだけでも
どこかに繋がってろ
見つめていける自由は
許されていますように
眠らずに寝言
あぁ
大好きな君
いつまでもそのままで
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
逢いたいと願うから
些細な仕草までも
面影が膨らんで
君を見つけ出してしまう
朝日のように
真っ赤に
夕日のように
刹那に
毎日のように
この身は
毎日のように
生れ変わる
人は何故これほどまでに
情念に駆られるのか
ただならぬ苦しい想いを
愛しく擁くのか
ただ好きというだけで
天地に烈しく叩きつけられながら
淡い夢に酔うのか
存在だけで幸せなのに
許せぬ気持ちに囚われるのか
諦めるほどに
諦めるほどに
逢いたいと願うから
空気の色まで読むように
全ての物語に
君をさがし出してしまう
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
ねぇ教授
恋のCHEMISTRY
上手く行きません
データが目茶苦茶
理論も定説も
何ひとつ合致しません
聞いてます教授?
確かに
言いだしっぺは僕ですが
教授も協力して下さい
教授?
ねぇ教授!
遠くないですか?
二人ともモニター越し
この際
臨床試験!
ってダメですか?
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
俺しかいないときは
重宝がられていた
でも時は過ぎ
俺はどんどんくたびれて
今じゃなんだか
厄介者に格下げさ
しがみついてたすべてに
剥がされてゆくだけ
ああ 明日ベスト
明日こそいい日が来る
そう信じてる
ああ 明日ベスト
こんなにも困らせてたなんて
でも信じてる
明日こそいい日が来る
あああ 明日ベスト
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
君がいるから
僕の世界は続いて行く
変わらぬ温もりと愛で
いつだって君を迎えるよ
おかえり
元気そうで安心したよ
いつもの言葉は
君のためにあるんだ
変わることは怖くはない
変わらぬことも同じ
ただ辛く悲しく
もどかしい日々を耐えなくちゃね
変わらぬ僕を選んで
君を待ってる
大丈夫さ
消えたりしないから 笑って
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
今 やっと
眩しい陽の光を取り戻して
照らされて立ち昇る水蒸気を
見送り綴る 午後
君の更新を楽しみに待ちながら
君を 待ちながら
晴れたかい?
君の住む街も
晴れたかい?
僕への疑いも
こうして描き出す色とりどりの世界
君への想いは だてじゃないんだ
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
僕の街にも
あの娘が帰ってきた
入り際のおすましに
お帰りと声をかけて
売り子さんに笑われちゃった
イチゴショート
モンブラン
母の喜ぶ顔が目に浮かぶ
僕はプリンが食べたかったな
帰りにサブレ貰った
これは父の好物だ
忘れずにペコの頭を撫でて帰る
売り子さん
やっぱり笑ってたけど
目が潤んでた
僕も
心にも 美味しい午後を 有難う 母とふたりで ゴチソウサマデス