詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
狙って振った采の目も
止まった駒の鼻唄次第
往きつ戻りつ振り続け
挙げ句休んでまた進む
振って振って振り続け
何度振り出し戻ったか
勝った悦び数える度に
悔し涙はその数知れず
恨み辛みと聴こえしも
強ちそうとは限らない
やっと分かった双六の
人生さながら盆の舞い
誰より振った采の目で
拝めぬ眺めも味わった
振り出してこそ人生と
腹が決まれば話は早い
心底仰いだお天道様が
照らす明日に歩み出す
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
ベッドに沈む感覚だけ
寝返りの先は何もない
二ッ折りの小さな現実
閉じ込めた君だけ現実
失意が見せる夢はいつも
三文オペラのファントム
何度マスクを外しても
顔にくっきりと浮かぶ痕
同じラストに涙も涸れる
何度パズルを組み立てても
最後のピースが眠る場所は
誰も逆らえないだろう
同じ絵を何度も
自己満足か達成感か
絵に描いた女神が微笑むからなのか
目覚めれば床に散った現実
光と闇を交互に拾っている
正気か狂気かなんて誰かが決めてくれ
二ッ折りの小さな現実だけが
今の俺を衝き動かすだけ
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
俺に好きだと言わせた癖に
不意にほろりと泣きやがる
女はごまんといる中で
何でお前と知り合った
何で二人は触れ合った
男は掃いて捨てるほど
何であんたに躓いた
何で心に触れさせた
あたし無言で頷いて
涙は勝手に流れてた
どうせ明日はやってくる
古い演歌で構わない
俺に好きだと言わせた癖に
不意にほろりと泣きやがる
傍にいるだろ信じていろよ
涙知るのは拭うのは
俺のこの手と疑うな
胸も背中も溺れるたびに
やけに怖くてまた泣いた
あんたの手だけに縋るよに
あたし無言でうなずいて
涙は勝手にながれてた
どうせ明日はやってくる
古い演歌で構わない
今夜ふたりで眠ろうか
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
この腕に抱くのは限りがある
この足で歩くには限りがある
心を込めてもヒトヒトリ
尽くしきれないことは多い
折々の 心の色を あるがまま 天岩戸も 開くと信じて
傷付けて傷付いて何度も死を選んで
気付かされて今度は詩を選ぶ
生かしも殺しもするならば
生かされたように生きるべきだと
心なれ この心なれ 君となれ 裏切るなかれ 君と心を
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
男は単純だからさ
そわそわするのさ
顔色は隠せないよ
だってバレンタイン
好きなヒトから
意地でも欲しいよ
男はホントに単純だからさ
情けないほどオロオロさ
大好きだから
君が欲しいよ
顔色は隠さないよ
だってバレタイン
誰にも渡して欲しくない
僕が必ずもらうから
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
君はチョコレイト
僕はバラ
追憶のバレンタイン
ふたりの誓約の日は
恋人達も祝う日
愛を確かめたのは間違いだったね
七年目のバラは可愛くて
鉢に挿しただけで
紅く可憐に増えてくれた
歳月に花は減り
歳月に愛は枯れ
トゲは痛みの懺悔に変わる
君が耐え切れなかったのは僕のエゴ
君を許さなかったのも僕のエゴ
今でも記憶を正すように
滲んだ紅い花が咲くんだよ
小さな花がひとつだけ
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
気付いた時にはもう手遅れ
心にしっかり住み着いた君
閉じ込めれば暴れまくるし
放り出しても暴れまくるし
育ち続ける恋愛モンスター
突然ツノが生えてくるんだ
堪らなくなる眠れなくなる
突然トゲが生えてくるんだ
何をしてても刺さって痛い
あの子が欲しいあの子じゃワカラン
誰に相談すればいいのさ
もういいかい まだだよ
隠れてなんかいないのに
君が欲しいよコノユビトマレ
それとも僕がツカマエチャウカ
どうして君じゃなきゃ駄目なんだろう
生きる理由に泣いてしまうよ
いつかホントにモンスター
君のその手で仕留めておくれ
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
変幻自在に織り成して
涙の数を減らしたい
笑顔の数を増やしたい
眠れぬ夜を減らしたい
爽やかな朝を増やしたい
それができるなら
この路を何処までも
何処まで歩んでも
人の心の垣根を伝い
家並みも庭の草花も
番犬も眠り猫も
スズメもカラスも
狭苦しい路地裏も
追い込まれた袋小路も
かけがえのない情景
まだ近所しか知らない
あまたの人路くらし路
ときどき迷子になりながら
もっともっとと訪ね歩いて
詩人:山崎 登重雄 | [投票][編集] |
心を定め
技を磨き
体を作る
心を込めて
技を尽くし
全身全霊
いつしか忘れ
いつしか手を抜き
いつしか背を向ける
恋愛は格闘技だった
かかって来い!