ホーム > 詩人の部屋 > 山崎 登重雄 の部屋 > 天球儀

山崎 登重雄 の部屋


[27] 天球儀
詩人:山崎 登重雄 [投票][得票][編集]


人の明かりの中じゃ
見えないんだよ

ときには文明を遠ざけて
寝転がる大地

僕が生きてきた中じゃ
いちばんのプラネタリウム

母校のグランド
独り占めした天球儀

たくさんの星たちと
子供たちが踏みならした場所で

サンドイッチの具みたいに
きちんと挟まって動けずに

見開いたまま眺めてる満天の星
瞬きを許さない

両手いっぱいに抱きしめても
零れてくからもう一度

手を伸ばして掴んでみても
届く訳ないってわかっていても

掴まえたいんだ
想いのままに何度でも

誰も
知らなくていいから

2009/10/24 (Sat)

前頁] [山崎 登重雄 の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -