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山崎 登重雄 の部屋


[79] 匂い
詩人:山崎 登重雄 [投票][編集]


鼻先をかすめれば

記憶がよみがえる

すき間風が運んだ

すえた匂いがまだ


人は不幸を糧に生きる

それを最後とするために

それが最期とならぬように


何度も抱いた

君の香り

これで最後と思いながら

それで最期と願いながら


自分で作る

夕餉の匂いに

少しだけ 苦笑しながら

2009/11/05 (Thu)

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