ホーム > 詩人の部屋 > まろふにの部屋 > 秋時雨

まろふにの部屋


[23] 秋時雨
詩人:まろふに [投票][編集]

伝える言葉 とうに失くして
止みそうもない雨 ふたり見てるだけ

歩道の信号 点滅がにじむ
そろそろ行くねと ゆっくり君が顔を上げる

君のその長いまつげが光って見えたのは
雨だろうか それとも…

あの日ふたり並んで肩を濡らした傘が遠ざかる
今はひとりだけの後ろ姿 包み隠して

冷たい雨はまだ 止みそうもない
どうか 風邪などひいたりしないように

僕は止むまで ここにいることにする

2018/10/14 (Sun)

前頁] [まろふにの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -