詩人:空色 | [投票][編集] |
ゆらゆらと月が揺れる夜でした
さよならの代わりに
と、あなたがくれた花が枯れていきます
私の心のようにパリパリになっていく花が悲しくて
見ないようにしていた
危なげな月の光が花を照らし、久しぶりにさよならの代わりをじっくり見つめました
私は恋をしていた
終わってしまったけれど、一生懸命恋をしていた
花は枯れて恋も枯れて
私は危なげに揺れる月を見上げました
あの日言えなかったさよならを言うために
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月があまりに綺麗だったので、私は一人でお酒を飲んだ
少し月が切なく感じたのは
私の心が切ないからでしょうか
カランと氷が音をたてて溶けていった
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例えばのはなしをする時の
あなたは危なげで
私は例えばなしが嫌いだった
聞かなくても、試さなくても
私はここにいるのに
あなたの側から逃げないのに
今日もあなたは例えばのはなしをする
甘えた子供のように
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夜空というには、悲しすぎる黒さに
私はため息をひとつついた
あの子は空を眺めてキレイだね、と笑う
同じ空なのに私にはキレイに見えなかった
私もキレイだね、と笑い
そっとため息をついた
黒く見えたのは、私の心も黒く染まっていたからでしょう
とても悲しかったからでしょう
そんなときもあるさ、ともうひとつため息をついた夜でした
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なんでも切れるハサミがあれば
こんなに泣かなくてもいいのにな
あの人との思い出も
あの人への気持ちも
ハサミでちょっきん、と切れたらな
痛みばかりの心を抱えた私は
こうして一人強がりを言うだけ
でも、今はまだハサミはしまっておこう
痛みばかりが目立つけど
私はきちんと恋をしていたから
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心がスカスカになるほど悲しい時も
泣けない痛みが私を襲う
悲しいのに、普段通りの態度をとって
電車のなかでは寝たふりしたり、
わたしは強がりを
手放せない大人になりました
中身は幼い子供のまま
弱くて、情けなくて、不安になって
だけどここまで歩いてきた
遅いけど、くねくねしてたけど
強がって、強がって
わたしは前に進む
傷も涙も痛みも全て
見ないふりなんかしないで
強がりながら歩いていこう
いつか、この強がり仮面を脱げる日がくるまで
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少し上を向いて
唇噛み締めて
その場にじっと立ち尽くす
涙をこぼさないように
貴方とのさよならが
涙で終わらないように
もう、会えなくなるけれど
大切な日々だったから
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おんなのこが、大きな声で泣いていた
わーんわーん
もういやだよー
きらいだよー
泣いて泣いて、大きくなるんだ
泣かなかった人なんて
誰もいないから
お母さんの胸で落ち着いてきた、あの女の子をちらっとみては
涙を心の箱にしまえるようになった自分をみた
大きな声で泣けたのは
いつだったかな
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懐かしい夢をみた
特別なことは何もなく
二人でくっついているだけ
私は本を読んで、貴方はゲームして
柔らかい空気、幸せな温度
目が覚めて、全てが夢だって気づいたとき
終わったんだな、と思えた
思い出は時に残酷だ
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走るしかなかった
ただ、思いっきり
なにも変わらないのは痛いほどわかっているけれど
あの時の私は走るしかなかった
転校なんてしてほしくないけれど
貴方から離れたくないけれど
幼い二人にはなにも変えられない
泣く以外を考えたら
走ることしかなかった
走りながらめいっぱい叫んだ
がんばれー
がんばれー
だいすきだー
走って走って、いっぱい泣いた
大人は青春だね、なんて笑うけれど
精一杯だった
今、振り返ると青春だったなって
笑えたよ