詩人:美知 | [投票][編集] |
†ドッペルゲンガー†
鏡に両手を当てて覗きこんだら
僕じゃない僕が笑った
僕はもう一人の僕に出会った
何故か
そいつには色がなかった
モノクロの世界で生きてきたと
そう言ったんだ
現実は綺麗事じゃ行きていけない
本当の世界は…汚いのだと
色鮮やかな世界はただの仮面で
それを剥がせば
人は欲望を剥き出しにした獣に…変身するのだと
「悲しい世界だね…いや、人間が高望みしすぎた結果なのかな」
僕がふいに漏らした言葉
そして次に鏡を見た時には
そいつはいなくなっていた
そういえば
「僕にも仮面…あるのかな」
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†布団†
いきなりだけど
布団って、いいよね
一日の疲れを癒してくれる
不思議な布
ただの布なのにどうしてだろう
こんなにあったかくて
優しく僕を包んでくれる
ほら 昔もあったよねこんな事
まだ産まれてない頃にも
布団みたいにあったかい場所で
僕は護られてたんだっけ
ああ
だから僕たち人間は常に
何らかの温もりを求めるんだね
改めて言うけど
やっぱり
布団って、いいよね
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†原石†
君の中には無数の可能性が
眠っているよ
その中にはあなたにしかない
磨けば磨くほど輝く原石が
眠っているよ
あなたはまだ
見つけられていないだけ
でもね
それを見つけるには随分と傷を負うかもしれないね
だって
磨けば磨くほど輝く原石が簡単に見つかるほど
上手い話なんてないでしょう
あなたの中に眠る原石を採掘するには
あなたにまとわりついている岩を砕かなければならない
例え傷ついても悲しむのはやめにしよう
だって
傷ついた分だけあなたは原石に近づく事ができるのだから
あなたが今傷ついているとしたら
それはあなたが生きている証
勲章なのだから
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臆病な僕は
些細な事を気にしては
自分を自滅へ追いやっている気がするんだ
人の言葉や視線や表情をうかがっては
間違った分析を繰り返し
何の罪もない人々を敵とみなし
無駄な警戒心を抱いては
無理な表情をつくり
不自然な人間関係のまま毎日を過ごす
疲れるのは僕だけだとわかっているのに
馬鹿な僕は同じ事を繰り返しては
後悔している
人を信じきれない僕自身に僕はうんざりしている
一度でも敵とみなしてしまった皆
本当に弱い僕でごめん
もっと強くなれたらいいのにな
いつか、きっと
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あなたは元気ですか?
身体はもちろん
心はどうですか?
萎れた花には水をあげるように
疲れた身体には休息を
怪我した心には…
誰かがそっと
絆創膏を貼ってあげよう