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右色の部屋


[90] 戦場の唄:ヘッジ
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――けれども
同じ質量の絶望であれば
死ぬことだって出来ただろうに



少年は
その小さな背中に
巨大な希望を背負い
銀色へと降り立った


既に物語は選択された
もはや絶望し、立ち止まるどころか
中途で死ぬことすら許されない

さぁ
往くは戦場――




「他人に迷惑をかけない」
そんな空想は燃え盛る炎、灰の中



「傷つくのは自分だけでいい」
そんな幻想を語る者は
自らの物語にすら登場出来ない



自分は自分だけで完成しない
「ネガティブアイデンティティ」



――剣戟の音は
中空に木霊する
(幾多の感情がそうであるように)


2008/07/22 (Tue)

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