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右色の部屋


[91] 種と女と一年と:朝日 月夜
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一年前に飾った花は
枯れて
種を残し

小さな芽になった


私は思う

この小さな芽が去年と同じように
スカイブルーの花を咲かせることは
決してないだろう、と

自分で買った花ではない
もう私の傍から居なくなってしまったあの人が
持ってきた花だ


みんな
しつこい、と思う

彼はあっさりと居なくなり
花もあっさりと枯れ
種だけが残った


何もかも忘れたいと、そう思った
だから忘れた

捨てたと思った種を見つけたのは2月の終わり

何も考えずに
ただ、そうあるべきだと思って
種を植えた


私はその芽を見つけた時
笑って、泣いた

私の一年はようやく終わった



その芽からは去年とは
違う色の花が咲いた

2008/04/22 (Tue)

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