晴れているのか曇っているのかどちらとも言えない そんな日に私は彼と雲を見ていた引き伸ばされてゆく空と大地がどうでもよくなって来たあたりで――時間って雲みたい。彼は当たり前のように呟き――うんざりだね。私はうんざりする時間が雲を運ぶのか雲が時間を形どっているのかは分からない私の目には雲と呼ばれる巨大な無意味が流れているだけただ彼だけが雲と同じ時間を感じている私にはそれが少し寂しくて少し羨ましい
[前頁] [右色の部屋] [次頁]