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右色の部屋


[94] 私と彼と雲と:アイノノ
詩人:右色 [投票][得票][編集]

晴れているのか

曇っているのか

どちらとも言えない そんな日に

私は彼と雲を見ていた


引き伸ばされてゆく空と大地が

どうでもよくなって来たあたりで

――時間って雲みたい。

彼は当たり前のように呟き

――うんざりだね。

私はうんざりする


時間が雲を運ぶのか

雲が時間を形どっているのかは分からない

私の目には

雲と呼ばれる巨大な無意味が流れているだけ

ただ彼だけが

雲と同じ時間を感じている

私には

それが少し寂しくて

少し羨ましい

2008/05/25 (Sun)

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