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栢徠の部屋


[197] それは、きっと、歪んだ私の錯覚
詩人:栢徠 [投票][編集]

首だけになったカレが笑った
「こんな僕でもまた撫でてくれるかい?」

首の無い体は動かない

「えぇ、首だけになっても大好きよ」

愛しい首を抱き上げ、視線を合わせる

「でも、腐らない?」

「その時は、その時さ」

その言葉に笑って私は首を抱いて歩き出す
体はそのままにして
喋る猫の首を抱いて……


それは、きっと、歪んだ私の錯覚
死に際に見た、私の最期の優しい悪夢

2008/12/24 (Wed)

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