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カナリアの部屋


[113] 舞う…月下の町工場
詩人:カナリア [投票][編集]

そこは町工場
油作りのとある少女

その顔は幼さ残り
その表情は愁いも帯びる

とある少女
爪は割れ
ブロンズの髪はなびく事を知らない
それも総て僅かな銅貨を稼ぐ為

とある少女
とある月夜の晩
何処からともなく聞こえ出した哀愁のメロディ
ギターの掠れた音が囃し立てる

“さぁ踊るがいい”

開放された少女の腕は
薔薇の花を象る
美しき姿
汚れたスカートを掃う仕種は
まるで事を済ませた
娼婦のようで
見る者総てを魅了する

その指先
拾い集めるは星の金貨

満月に照らされて
少女は女へと
姿を変えた…

2006/06/25 (Sun)

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