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カナリアの部屋


[120] 『 』
詩人:カナリア [投票][得票][編集]

ある明るい月夜の晩
汚れたスカートを隠しながら啜り泣く少女がいた
月は問う
何故泣くのかと…
少女は握り締められた僅かな銅貨を掲げてみせた
『裕福になりたいのです』月は問う
裕福とは何かと…
少女は細い足をジタバタ鳴らしてみせた
『自由と言う事です』
月は問う
自由とは何かと…
少女は首を傾げた
『知らない…けれどお金さえあれば自由になれる』
月は少女に星の金貨を山ほど与えた

ある明るい月夜の晩
華やかなドレスに身を包んだ少女はまだ泣いていた
月は問う
何故泣くのかと…
少女ははっきりと答えた
 『  』

2006/07/12 (Wed)

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