詩人:HOPE | [投票][編集] |
(残り時間はどれくらい残っているの)
そんな風に焦ってしまう私の中の不安定な【部分】が、いつだって私にはお似合いなの
壊れかけた砂山へとポツポツと降り出した雨は、いつだって優しくて残酷なの
そんな風景と向き合っているの
そんな私を、
夜が見ていた
月が見ていた
散り散りになってしまった【思い出せない何か】が、この暗闇のすぐ近くで息を潜めて隠れている
私は【それ】を見つけにきたの
空を抱え込んだ君は、【それ】をとても愛おしく隠し続けていた
それもなんだか窮屈で、息苦しくて、君は【それ】を秘密の砂山に埋めました
少しだけの、空の悪口と一緒に
いつだって迷いのなかった筈の君は、今日、初めて【途上に暮れる】というコトバの意味を知りました
(もうすぐ雨が降ってくるよ)
誰かの声
そんなコトを、そんな君に、教えちゃ駄目なのに…
いつだって世界は君を赦さない
そして君は少しだけ泣いた
ざらざらの白い壁に、頬を寄せて、暮れてゆく【それ】を見つめながら
僕といえば、
雲ひとつない空の下で傘をさしていた
こんなキモチを残しておきたいから、季節だけが通り過ぎていた
ふらつきながら繰り返した
呼吸のように繰り返す柔らかい風は、誰かの口臭と同じで、とても隠しきれそうにもないんだ
傘だけじゃ、隠しきれない【それ】は、もう僕の傍から離れたがっているのを、
僕は、
本当は、
知っていたんだけど…
僕は目を閉じた
零れ落ちる【僕の雫】だけが慰めてくれてた
(ちっとも優しくないよ…)
そんなの、僕だってわかってる
だから僕は、君の家に急ぐんだ
傘をさして、擦り切れそうな靴を履いて
約束の場所は夜
遠ざかる前に走り出す
いつかまた、同じ笑顔で会えたらいいなと思った
(ねえ、誰か…)
こんな世界を、笑い飛ばして