詩人:HOPE | [投票][得票][編集] |
窓枠で切り取られた星空を、さかさまに見る。
諦めたその瞬間から、雲の速度がおそくなる。
此処からじゃ、地平線は見えっこない。
限られた世界の端っこで、広がる星空に託す願いは、きっと、昨夜夢見た未来への夢。
だから辞めたの。
どこかで誰かが泣いている。うん、あたしも。
星空のできごとなんて、きっと、ほんの少し。
星空が、あたしなんかに気づかないのと一緒。
忘れかけた空の果てを思い出して、ずうっと遠くまで涙をこらえた。
嗚呼、ため息が、こんなにも重たい。
震える頬を辿る冷たい空気と、「せーのっ」で向き合って、寂しい、をがまんするの。
忘れかけた空の果てに、遠慮がちに燈るそれが、涙の色と一緒だったらうれしいな。
窓枠で切り取られた、輝く星空が、なんだか悔しくて、昨日までの記憶をすべて忘れてしまいたくなる。
たとえば、
言葉の数だけ傷ついた夜の終わり、とかに。