ふと私の髪をなびかせた風がいつのまにか冷たかったのです何かを思い出して私は悲しくなるのだけれど何を思い出したのかがわからない何が悲しいのかがわからないただ寂しくてただ悲しくてけれど風は変わらず冷たいまま私の頬を撫ですり抜けてゆくのです私は一人また一人でおいてけぼり秋の空を見上げるのです
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