詩人:緋文字 | [投票][編集] |
たとえば
自分のタイムリミットを
大事な何かと引き換えに
教えて貰う術があったとして
チッチッチッチッ
秒単位でどんどん減っていくだけの人生を
終わりからカウントされる装置なんか着けられたりしたら
ウダウダグダグダ考えてる暇なんかなくなるのかな
必ずやって来るソレが
思ってたより随分早く来る
なんて
わかったりした日には
それこそ恐ろしいやら勿体ないやらで眠れそうにない
わかれば立ち向かえるのか
知れば惜しくなり必死になれるのか
ただ茫然と待つだけなのか
逆らってより早く終わらせようとするのか
関係あるかぃ!と一分でも延ばそうとするのか
私は大事なものはあげたくないし
増えていくのは好きだけど
減っていくのは嫌いだから
知りたくもないけれど
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
私達は犬が大好きね
人間の子が持てぬなら
犬を10匹飼いましょう
いくらなんでも面倒臭いわ
一人で始まり一人で終わる二人で始まり二人で終わる
あなたが残念がらなければいい
あなたが寂しくないようにしたい
あなたが寂しいと
私はもっと寂しいわ
きっと好い夫になるようにきっと善いお父サンになる
私にしかあげれないものがあるとしたならの話
今は私に満足なのね
欲しがらないと約束して
落胆の顔は私を殺す
期待しないで
あげられる器なんて
持ってないんだから
私も子供、大好きよ
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
親に感謝しないと
誉め言葉のような侮蔑で
私を抱いた男の何人かが言ったわ
おかあさん
父しか知らないらしい
貴女はまるで修道女なのに
私は男を悦ばせるのが得意
泣いてばかりいるのを影で見てたから
お酒を一滴も飲めない貴女の枕元に
私の好きな禁断のコーラと
父の隠してるお酒を置いた
翌朝ちっともお酒は減ってなかったけど
コーラは減っていて
悲しいような嬉しいような
貴女は今でも飲めなくて
酒に逃げてるあの人を羨ましがるけど
私はそんな貴女が羨ましい
荒んだ中でも貴女は強くて
時々、私達が見えなくなるくらいに弱くて可愛くて
あなたのそんなとこが
少しでも遺伝してるとよいのにな
何と言われても
守りたいものが出来たのよ
おかあさん
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
踏み込めてなかったことを
自分が
踏み込もうとしてなかった
こととして気づく
護身ですか
単純なことさえ
複雑化して
怖い
などと ほざくのは
見せかけの
誠意ない戯言に過ぎぬ
私欲を離れろ、と
虫酸が走った
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
人の意思なんて
操作できないのだから
当然
その人の
その人生に
入ることは困難で
せめてどうにか出来そうな
自分の意志くらい
限りなく
近いところへ
常に置いて
きてたつもり
数えきれない
選択が重なり
造っていく人生
自分で選択の幅を
狭めてしまうような
生き方はしたくない
したくなかった
もうこの先は
しないから
私は
私に生きます
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
閉められる扉の微かな音
その静かな行いに
すがる余地の無い事を知る
せめて勢いよく解り易く
音を立て
感情あらわ
閉ざしてくれたならば
文句の一つも言いながら
追い掛ける事できたろうか
後ろ姿と
静寂だけ
残された
もう二度と開けれない扉
その向こうは
もう、空虚で
ただいま
なんて返ってこない
戻らない
を知りながら
見つめ続けて動けない
終わりなんて滑稽なもの
そんな夢ばかり見る
一緒の夢を見るはずではなかったの?
どちらが夢なのか
区別がつかないとこにきた
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
守れぬ約束はしないアナタ
青いバラの
TV中継を見終えて
『コレ、買ってあげるね』 と言いました
青は好き
でも
バラは特別
好きでもなかったので
即座に
『いらない』
と言いました
ん!?確か…
「2007年市場に出ます…」
私は急いで
『一本買って』
と言いました
アナタが静かに笑ったので
なんだか
とっても幸せになり
私も一緒に笑いました
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
核爆発がいい
そしたら、あなたを庇って
一瞬で
一緒に
灰塵になりましょう
あぁでもどちらかといや、
私達に入るモノあれば
伐って切って
滅多斬りにしてしまいたい
そうして二人だけになって
あなたがどんなに恐ろしそうにしたって
もう私しかおりませんから
未来永劫愛でる覚悟を。
そのくらいのつもりで
私を みる
と、言いましたか
恋が愛に変わった時
互いの怖れも
増殖します
詩人:緋文字 | [投票][編集] |
盆前の暗い海
入ってみたら
意外に怖くなかった
まだ日焼けなんて
気にする歳ではなかったが
昼間の喧騒もなく
汚物なんか気にならないし
何より途端に
水が抵抗を増して
液体が少し固体化して
その重みが心地よかった
母親の胎内は
こんな感じ
だったかも
月は綺麗で
背泳ぎが出来ない自分を
呪うほどに
どうして独りだなんて
あの時は思ったのだろう
アナタも
お風呂に入るとき
照明消してみて下さい
月の代わりに
蝋燭でも立てて