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緋文字の部屋


[107] 柘榴
詩人:緋文字 [投票][編集]

仰ぎ見た時は割れていた
気付かぬ内
ざっくり、と

陽の射して艶々と
澄んだ赤色一つ一つ
手を伸ばしたらと誘い討つ

ぷつん、ぷつん、
潰して了え


耐えて堪らえて、
吐いて掃いて、
またその先で見ては
飲んで呑んで、

ずっと

身を置く先の小指の先程

束の間の出来事か
其丈か

去来することもなく
ただ居座り
在り続けた
生々しき感情

やっとの思い張り詰めた
薄い膜

飛び出してしまわぬよう

飛び出してしまわぬよう
丸め込む

下ろし金で削られていくようであったでしょうに

トクン、トクン、
とは打たない不律の脈で

突かれた穴から零れたものなど
まるで興味がない、とでもいうように


喉潤したのは
その度に

透んだ赤色
ぷつん、と弾けた
あなた自身だったのね

2005/10/23 (Sun)

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