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緋文字の部屋


[106] 夜伽話
詩人:緋文字 [投票][編集]

いつでも
仰向けに寝転べば

大小に白く光る輪の中
垂れ下がる
毛糸ボンボン

くるくる回ったから

 『先におやすみ』


そうっと扱わねば
破れてしまいそうな

藁半紙の分厚い本

その中のひとつの話が
大好きで

えんどう豆姫


挿し絵が少なく
余白には絵を描き足した

直ぐ読めてしまう短い話で

行間を埋めたり
終わらせないように
続きを書いた

毎晩変わっていくその話を
面白がって

布団の上で足を
パタパタさせながら
『よんで、よんで』と
せがんできた

妹の記憶の中
えんどう豆姫は
全く違う話のはずだった

元の話はどうだったか

覚えているかい


豊かだったねぇ
私たち

2005/10/16 (Sun)

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