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緋文字の部屋


[125] 見えて入ったと言う
詩人:緋文字 [投票][編集]

見える 見えない
見た人が いる
見えたか
どうだか

踏み入る数だけ淀む
濁れば底見えぬと怖れる
入り交じる錯視
身を避けて流れるものへ
眼をやった揚句
列んで体感速度は増す

箱の中 声も立てない
小猫は一匹 流れてく

足をとられた
躊躇の間に
埋まる埋まる
仕舞いに
押し寄せる厚さない壁
見立てたばかりに潰されて
抜けなくなったの
ひとやすみ

澄んでいくまで
待つのね


後退できない
あの猫のよう、
ならよかったの


瞬発力も持たない
嗅ぎ分けようともしない

猫は水を嫌うよ

2006/03/08 (Wed)

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