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緋文字の部屋


[127] 無題
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眠るまでの間
少しずつ
思い出した順でいい
どちらともなく
眠ってしまってもいい
昔話をしよう
もう
見ることのかなわない
その憧景に想いを馳せて
微笑ましい嫉妬を胸に
抱いたりして

聞きながら描いてる
その頃の僕
その頃の私
その前に立つ
その人も
お互いに
見知りはしないけれど
その瞳に映った景色
その横切った風
その聴いてしまった音も
知る由も術もないけれど

でも、ほら今
心に描いてくれている
それはそのまま
そうだったんだよ、って
何故だかわからなくても
言い切れてしまうのは
何故だろう

ずっと昔から
知ってくれて
いたのでしょう
ずっと遠くから
見てくれて
いたのでしょう
やっとここまで
近くにこれた、って
きっと私達以前の私達も
そんな話をしていたと
他人には
わからなくていい
説明は
つかなくていい
とにかくそうだと
言える
馬鹿げていても

動かないものが
確かにあるんだ

もう
いつ どこにいても
幸せなんだ、と
言える

2006/06/22 (Thu)

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