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緋文字の部屋


[99] 孵化
詩人:緋文字 [投票][編集]

もう
白く肌に同化した
古い疵
あの人と私の温度が
合わさる時にだけ
赤く浮き上がる

もう
片時も離れない
わけじゃない
ただの記憶
背徳心が
色濃く浮かび上がらせて

遠くの貴女が
心で抱きしめてくれた

もう還していいのかな

孵らないものは帰らないと

気持ちを返してばかりでは
きっと
何も変えられない

産まれたものが
『命』
そう決めて見れば
新しいものが
生まれてくるんだよね

それは
すり替えじゃない

貴女に
抱いてもらいたがってた
私のヒビ入り卵

別のカタチで孵してみせる

2005/10/05 (Wed)

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