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緋文字の部屋


[97] 反芻
詩人:緋文字 [投票][編集]

初夏に芽生えた
結晶は
春を待たずに
編み糸解いた

揃えた物、から
捨てようか

そうこうしながら
一年過ぎた

街中にあふれ出る
振り返るのは幼き笑み

返し笑みを浮かべてみては
知らぬうちに垂れ流す

そうこうしながら
三年過ぎた

そうこう、かれこれ

もう、ひと昔前の話だと
もう、どの子にも笑えてる

とっくに

今日、人差し指を握られて
また
その力強さに負けてしまった

重ねてしまって愛おしい

ふた昔、過ぎれば
負けなくなるのだろうか

あなたのために泣けるのは
もう私しかいないから

詫びる術もなく夜明けまで
こんな日には弔いを

毎日は考えなくなって
明日は笑う私がいて
後三ヵ月を待てなくて
ごめんなさい

2005/10/03 (Mon)

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