詩人:悠月 | [投票][編集] |
SOSなんて
そんな大袈裟なものじゃなくて
一生のお願いなんて
そんなかっこいいものでもなくて
だからさ そう
僕は未だに
ここから動けなくて
変わっていく景色を
見つめては
寂しくてため息なんか
ついちゃったりしてね
(聞こえますか)
(届きますか)
きっと
僕が子供なだけで
きっと
あなたはもう
僕のことなんて
忘れているだろうけど
(それでも、)
(僕はあなたに会いたくて)
(会いたくて)
(もう、
どうしようもないのです)
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僕が何をしなくても
雨は降って 雨はやんで
僕が何をしなくても
君は笑って 君は泣いて
「置いてけぼりにしないで」
小さく叫んだあの日の君を
今の僕はきっと
置いてこうとしてるよ
振り向きはしないけど
君がここにいるならば
世界は回って
針は進んで
僕が歩き出した時
世界は回って
針は折れた
「どこにも行かないで」
あの日約束した
小さな二つの小指
針千本でも何でもさ
飲み込んでみせるから
ごめんね
もう 行かなくちゃ
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ほらまた
嘘が口を飛び出す
あたしが泥棒になっちゃったら
きっとあなたのせいだ
(でも、それでもいいの)
(あなたが笑ってくれるなら
世界一の泥棒にだって
なれる気がするわ)
詩人:悠月 | [投票][編集] |
ほしいのなら
全部あげるわ
持ってけどろぼー
大サービスよ
対価?
そうね いただこうかしら
(さあ、とびきりのキスをなさい)
※お題【口元に潜むあいらぶゆー】は
サイト『plotter』様よりお借りしました。
詩人:悠月 | [投票][編集] |
今度こそ本当に
さよなら
(繰り返した予行演習)
お互いに振り向かないって
約束したから
(本当になるとは思わなかったの)
あなたがどんな表情なのか
もう分からないよ
(またねって
いつもみたいに
笑い合いたかった)
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大好きなのに と
泣いてみせる
カストールもポルクスも
何も聞かずに流れていった
すべてがもう 今さらのくせに
まだ始まらない僕らの宴
きれいな朝は
悲劇のヒロインを
照らすだろうか
王子の真似した村人Aは
やっぱり王子になれないままで
始まらない僕らの宴
料理はいつか冷めてしまう
閉じこもったまま 控室
扉をたたいたその手はどなた?
詩人:悠月 | [投票][編集] |
あなたの指があまりに冷たくて
触れた指先が悲鳴をあげる
同じ季節の中にいるのに
まるでそれは想いの違い
思いきり甘えて手をつないで
私の熱があなたに
伝わればいいのに
二人の熱が同じくらいに
なればいいのに
詩人:悠月 | [投票][編集] |
散歩に行こうと
手をひく君に
寒いから嫌だと
こたつにもぐった
星がきれいだね なんて
楽しそうに言う声に
そんなに見えないよと
意地悪に返した
あたしは あたしが嫌いだよと
寂しく笑うから
僕は好きだよ、と
そうして また
負けたことに気付くのだけど
寒いねって
嬉しそうなくちびるを
暑いって答えるかわりに
ふさいでみせた