詩人:NZO | [投票][編集] |
もう少し静かにしてくれないか?
大切な『声』が聞こえない
少し黙ってくれよ
この時間は君のモノだけじゃない
あの人は右が正しいと言う
あの娘は左が正しいと言う
傷つけ合うのなら
どちらも正しくない
もう少し静かにしてくれないか?
大切な『鼓動』が聞こえない
少し黙ってくれよ
みんな、生きてるんだ
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何かが始まる時
それは素敵な空と風
心に羽が生えた様な
ふわぁ ふわぁ ふわぁ
何かが始まる時
それは孤独な海と光
心と体が離れた様な
さばぁ さばぁ さばぁ
分からない明日に
向かう眼光
このままに
このままで
終わった昨日に
嫉妬する身体
そのままに
そのままで
何かが始まる時
僕は唇を噛み締めた
何かが始まる時
僕は僕を抱き締めた
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強き者の涙
人生を賭けた熱き戦い
嫌われ者の涙
真実は彼の拳が証明した
辛き日々
悲しき過去
すべてを背負い
また彼は強くなる
強き者の涙
決して真似できぬ偉業
嫌われ者の涙
傲慢に自分らしく生きろ
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樫の木の上から見下ろすこの町
瞳が初めて光った時から見つめたこの町
山も海も綺麗な川さえもないこの町
俺の町
離れられない、俺の町
樫の木の上から見下ろし今日も君待ち
初めて胸を熱くした君が生まれた素敵な町
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老木は語る
僕には分かる
老木は語る
君にだって分かる
誰が悪い訳じゃない
最初から決まっていたんだろう
簡単に変えられやしない
誰が悪い訳じゃない
老木はやがて枯れる
僕も死ぬ
老木はやがて枯れる
君だって死ぬ
誰が悪い訳じゃない
きっとすべてそうさ
誰が悪い訳じゃない
老木は僕に伝えた
老木は語る
老木は…
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小さく咲く僕は
誰の目にも止まらない
だけど
美しい羽を持つ君は
小さな僕の心に留まった
朝露は何よりも純粋に
僕の思いを表し
日差しは何よりも綺麗に
僕を照らし出した
小さく咲く僕は
誰の希望にもなれない
だけど
美しい羽を乗せる君は
僕のただ一つの希望になった
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腕を紅く染める人を僕は弱いと言えない
何もできない僕の方がすごく弱いから
ビルの屋上から飛び立つ人を僕は哀れだと思わない
何もできない僕の方がすごく哀れだから
相変わらず扇風機は僕に新しい風を送る
その風は僕の頬に当たり、この肩に留まった
忘れてしまったのかな?
僕は扇風機の止めて天を仰いだ
悲しみに瞳を濡らす人を僕は強いと言わない
喜びに瞳を濡らす僕の方がもっと強いから
嘘をつき笑顔を浮かべる人を僕は素敵だと思わない
苦しい時に苦しい顔をする僕の方がもっと素敵だから
相変わらず扇風機は僕に新しい風を送る
その風は僕の頬をかすめ向こうに流れた
思い出したのかな?
僕は扇風機を強め、風を身体で受け止めた
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食べたよ
残さず食べました
苦手なモノばかりだったけど
今日をちゃんと食べたよ
食べたよ
残さず食べました
明日が来る前に
今日をちゃんと食べたよ
「ご馳走様」と「頂きます」
繰り返しながら大きな心を育てます
「有難う」と「御免なさい」
繰り返しながら膨大な人生を味わいます
詩人:NZO | [投票][編集] |
日本で生まれたその花は
春の良き日に庭を赤く彩る
開いた誇らしげな顔は
こんな僕にまで勇気をくれるのさ
過去を伝えるその幹には
耐え貫いた日々が刻まれる
深く削られ、乾いた幹肌
生きる為の証、僕の傷跡と同じ
力強く光る大きな葉は
どこか潔く、立派に構える
痛々しい程の深緑は
僕の心を静かに燃やし続けるんだ
だが時は経ち
花は茶色く萎れ、枯れ落ちて
幹は皮が剥け、痩せ細り
葉は虫に食われ、穴だらけに
『安心しなよ』
『そんなに弱くない』
汚い姿に戸惑う僕に
君は風に言葉を乗せた
椿
その煌びやかで
たくましい花木
椿
この身体を栄養に
僕の心に咲け