ホーム > 詩人の部屋 > 未知の部屋 > きみへの手紙

未知の部屋


[252] きみへの手紙
詩人:未知 [投票][編集]


フィルター越しの
人工的な空気が
肺を汚して心が枯れて

マニュアル通りの
模範通りの
病んでゆくひと
愛足りないひと

切なくて胸を
押さえるようにダイブした

お構いなしに残酷な現実が
日々をノックする
嘲るように

苦しみを分けあうために
その手をとったの?
きこえない?

こんなに大きな声でも?
まだ見えない?
どれだけそばに寄っても

利用してもいい
きみが笑えるように
ここにいるつもり
ここにいたいだけ

振り返らずに飛び込んで
行き先も知らない
列車のなかで

紛れるような泣き言
垂直に落下して
地に落ちたんだ
誰かが踏んだんだ

痛んでいるよ
案じているよ
駄作と既に
決めつけているでしょう?

利用してもいい
きみが立ち上がれるなら
その肩に手をかけて
今日を踏み台にして

2015/02/21 (Sat)

前頁] [未知の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -