雨降りシトシト
春の手前は
愛しい誰かを思う頃
憂鬱と感傷
行ったり来たり
鳴らない電話が虚しくて
長すぎる夜は
知らないメロディーで
踊りたいのに
踊り狂いたいのに
ためらいと恥じらいに
また負けそうになる
ぼくはこんなに
弱いやつだったかい
色彩を憶えていて
空の奥を見つめてよ
ああいう日もあった
振り返るときがくると
本当はきっと
解っていたんだ
分からないフリしていた
それだけのぼくだった
雨降りシトシト
春の手前は
後悔の嵐がやってくる
いまでもグチャグチャ
掻き乱される心
体の傷よりずっと
深い痛手
2015/03/09 (Mon)