詩人:凜一 | [投票][編集] |
サヨナラが来たね
私はあなたの幸せを願い
あなたは私の幸せを願い
そっと手を振って
振り返らずに
バイバイしたね
あなたについた
最初で最後の嘘
ほんとはね
幸せになんて
なってほしくない
あたしが造れない
あなたの幸せなんて
無くていい
四つ角を曲がって
立ち止まって
静かに泣いた
あたしは幸せだったのに
もっと幸せになれると
信じていたのに
あなただけ
いつのまにか
イラナイモノに変えてしまったね
なんの余韻も残らない
サヨナラが悲しくて
あたしはそっと
指輪を捨てた
愛の誓いは
ただの小石になった
イラナイモノに
かたちを変えた
道路の脇に
ぽつんと佇む
光る小石
あなたにとっては
きっとただの小石
愛を使ったイタズラな玩具
でも、あたしには
まだ息づいている
約束
小石になあれ
思い出を忘れて
小石になあれ
涙が乾いたら
蹴飛ばしてあげる
見えなくなるほど
遠くに
消してあげる
小石になあれ
今はまだ
鮮やかに消えない
愛の雫よ
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精神異常の熱帯魚と
ひきこもりの僕が手をとりあったら
ボロアパートが
無限の宇宙になった
さぁ
うろこを一枚
剥いでおくれ
抱きしめて心中したなら
魚は嬉しそうに
空を泳ぐ夢を見るだろう
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君しかいらないのに
君だけが手に入らない
手を伸ばして
背中に触れる寸前で
いらないゴミばかりが
あたしにまとわりつく
君の人生の中で
いつか訪れるかもしれない不幸を
あたしが消してあげたい
君の人生の中で
いつか犯すかもしれない罪を
あたしは許してあげたい
何があっても
誰かが君を傷つけても
あたしはずっと傍にいるよ
でも
君に届かなければ
こんな覚悟は意味がないの
今まで何度も
手を伸ばしてきたの
他の何かに阻まれても
気付いてほしくて
叫んでいたの
それなのに
あたしの何もかも
君には追い付けなかった
苦しいよ、痛いよ
痺れるほど
君を呼び続けたよ
振り向いてくれるだけでもいい
立ち止まってくれるだけでもいい
息絶え絶えに
君を愛してる
あたしに気付いて
できれば抱きしめて
名前を呼んで
ちっぽけで
壮大な
あたしの願い
それだけが
あたしには全てで
そして今日も手を伸ばす
でも
心の片隅で
届きはしないと知っていて
ああ
ゆれる心が
痛い
君しかいらないのに
君だけが手に入らない
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時間よ止まれ
サヨナラくるな
何度願ったことだろう
近づいてくるオワリの足音に怯えて
君の手をいっぱいいっぱい握り締めて
わざと
ゆっくり歩いたりして
どこでキスしよっか
どんなキスしよっか
そればっかりの愚かな僕に
君の笑顔はただ清らかで
どこまでも透明で
僕はいつも罪を犯した気持ちになるけれど
この手を離したくないよ
君が思っているより僕は
ずっとずっと
君が好きだから
信じきれないところまで
どうにかして信じたいほど
君だけを想うから
つないだ手のひらに込めた
「ずっと一緒にいたい」
「どこにも行かないで」
なんて弱っちい僕の叫びを
ほんのひとかけらでもいい
受け入れて
「いいよ」って笑って
ずっと一緒にいて
ああ
君の家まであと数歩
時間よ止まれ
僕らだけを残して
サヨナラくるな
この手を離さないで
いつまでも
離さないで
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しあわせってなに?
テレビを見ること
お金をもらうこと
「とりあえず」の恋愛ごっこ
それって
ほんとに幸せ?
例えば僕らの生まれる前の遥か昔に
人々がしていたように
あたたかい小屋に暮らし
お金や地位のしがらみも無くして
ただ生きるために戦い
ただ愛し合うだけが全てになったなら
世界中の誰かも
無力でちっぽけな僕も
幸せになれるだろうか
そんなことを考えながら
テレビの電源を入れる僕
なんて小さくて無力で
しがらみに縋りついて
まるで生きた死体のように
テレビをみて
金を欲しがり
それでも常に
生きる理由を求めている
こんな腐りかけの僕を
愛だけが全ての場所に
放り投げて
幸せに
なりたい
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あたし
あなたが好き
だから
あなたが
どうしようもなく好きになってしまうような
そんな女の子に
生まれたかった
ねぇ
痛いよ
そばにいるのに
誰よりも近くにいるのに
気持ちだけが触れられない
ねぇ
苦しいよ
もしも遠く離れたら
あなたはあたしを忘れてしまうでしょう
ただの思い出に
なりたくないよ
あなたが目を閉じた時
まぶたの裏で
いちばん明るく光って
消えないような
そんな女の子になりたかったよ
好きで、好きで
大好きで
想いはぐしゃぐしゃになってしまう
あなたのいちばんになりたいよ
喉に出かかった
小さな願い
受けとめてくれないって
分かってる
届かないって
もう知ってる
それでも願ってしまうの
この涙も
叫びも
もうしばらくは
隠していけそうだから
ずるいけど
いちばんになれないけど
そばにいさせて
ねぇ
あたし
あなたが
どうしようもなく好きになってしまうような
そんな女の子に
生まれたかった
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眠るのが怖い
きっと
君に抱かれる夢を見る
もう忘れてしまったよ
もう大丈夫だから
そう言ってバカみたいに笑う私は
たぶん宇宙一の嘘つきだね
君とつないだ手の温もり
君の少しかすれた優しい声
君が笑う瞬間
悲しそうにほっぺたを擦る
落ち込んだ時の君の癖
忘れない
忘れられないよ
だって
私の中にこんなに残ってる
こんなに深く
息づいている
空っぽになった部屋の隅に座り込んで
全部吐き出して
静かに泣いた
一緒にいたかった
ずっと一緒に
いられると信じてた
この広すぎる部屋だって
君がいたから暖かくて
一人きりだと
凍えてしまいそう
淋しさに
溺れてしまいそう
もういないのに
二度と触れられないのに
私の体に
ちっぽけなココロに
君が、深く深く
刻まれて
消えない
こんなに、こんなに
憶えているよ
もしも
願いがひとつ叶うのなら
君を願うでしょう
愛された日々を
消えない思い出を
もう一度くださいと
ひたすらに願うでしょう
抱きしめたい
強く、強く
離さないことが
今ならためらいもなく出来るのに
君はもうどこにもいなくて
淋しいと
痛いと
叫んでも
君の暖かな笑顔は
戻らない
眠るのが怖い
きっと
君に抱かれる夢を見る
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哀しい唄は
もういいよ
あたしのことを
愛せなかったあなたが
まだ愛しくて仕方ないよ
そばにいられるなら
それだけでいいと
「愛してる」も
「サヨナラ」も
なかったことにしようと
あたしは毎日
あなたの肩に触れる
「すき」を伝える前のように
そっと肩に触れる
でもね
振り向くあなたの笑顔が
「ゴメンね」に見えてしまって
なんだか哀しくなるよ
「ゴメンね」するのは
あたしの方
あたしを愛しなさいと
重い荷物を背負わせて
自分の
一瞬の
しあわせのために
あなたを傷つけた
それに気付いて
荷物をおろした頃には
もう遅くて
それからあなたは毎日
傷だらけの笑顔で
「ゴメンね」という
もうなにもないから
何も背負わなくていいから
愛してくれなんて
もういわないから
哀しい唄は
もういいよ
あたしのことを
愛せなかったあなたが
まだ愛しくて仕方ないよ
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なにもいらない
なにもかもなくなればいい
みんなゴミになって
焼かれて消えて
あたしの「今まで」も
あたしの「これから」も
あなたの「今まで」も
あなたの「これから」も
すべて灰になったなら
ただまっすぐに
あなたを愛せるのに
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どう考えても無理
いや、いけるかもしれない
どうせダメだろ
ダメ人間だし
最初から諦めてどうすんの
そこら辺がダメ人間だよ
あーチューしたい
まだ言えてもいないくせに不純なこと考えんなよ
サヨナラは厳しいな
厳しくても戦えよ
ガツンといけよ
いけるもんなら
もういってるし
…それもそうだな
缶ビールも2本空いた
空っぽな部屋に
空っぽな缶を捨て
3本目のプルタブに
指をひっかけながら
僕は僕と戦争してる