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凜一の部屋  〜 新着順表示 〜


[258] 水を抱く
詩人:凜一 [投票][編集]

貴方を愛していくということは
まるで
水を抱くように

ヒドク清らかで
現実味のないこと


留まることなく
さらさら流れて

すくわれてはくれないから

私のこの手は
貴方を前にしては
なんの役にもたたないのです


貴方はただ
さらさら流れて
私を狂わせていく
清らかな水

なんて現実味のないこと



嗚呼、こんなにも
私を濡らしていくというのに

2006/08/18 (Fri)

[257] 依頼心
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あの人に触れる方法
誰か教えて


少し前まではそう思ってた

自分一人では
どうすればいいか分からなかったから
誰かが手を差し伸べてくれるのを
若しくはあの人の方から触れてくれるのを
待っていた



あの人を忘れる方法
誰か教えて


今はそればかり考えている

結局
どんな状況に陥ったって一人じゃ何もできないんだ私は


あの人を「愛そう」と決めたのは他の誰でもない
私ただ一人の決意だったのに


今はもう
依頼心が本気の邪魔をして
どれだけ愛していたかなんて
きっと伝わりっこないね



でも
仕方なかったんだ


もう一人ではどうすることも出来ない程に

愛しすぎてしまったんだ

2006/07/31 (Mon)

[256] 肩をバシッと
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君は優しい人
それはもう
悲しいくらいに


僕の前ではいつも穏やかで
非の打ち所のない優等生みたいだ

けれども
あいつの前では
からかわれて膨れて怒る
大きな声で笑う
普通の女の子になる


僕におはようと言う
穏やかな笑顔で

あいつにおはようと言う
肩をバシッと叩いて


この埋められない距離感

君は優しくて遠い人


君の優しさに何度傷つけられただろう
もう優しくされたくない

肩をバシッと
叩かれる程に
近くにいきたい


けれども君は
相も変わらず穏やかな笑顔で

まるで
「貴方には心乱されません」とでも言ってるみたいに



君は優しい人
それはもう
悲しいくらいに

2006/07/31 (Mon)

[255] ヒトリヨガリ
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神様どうか
僕を大人にしないで


自分を他人として見ることが
大人になるという事なら
僕はヒトリヨガリのままでいい



僕の背丈が
今より30センチ低かった頃
未来は
果てしない空そのものだった


昨日と今日と明日には
それぞれ違う僕が居て

裸足で確かめた土の感触
残るのは
僕だけの足跡だった



けれども今は
振り返ってみても
どれが自分の足跡かなんて
わからなくて

みんなと同じ革靴で
みんなと同じ靴音を鳴らし
踏みしめるのは硬質なコンクリートだ


未だ見ぬ明日や明後日に句読点を打って

出会う人すべて
自分さえも
カテゴライズして


未来は満員電車の中に納まっている


昨日も今日も明日も
同じ僕が居る


いつから「楽しい」が「くだらない」に変わったんだろう


たった30センチ上空から
未来も世界の端っこも見えてしまうなんて
気付いた頃にはもう遅くて

僕はきっと明日も明後日も
満員電車でため息をつくのだろう

みんなと同じ
革靴をすり減らして



神様どうか
僕を大人にしないで


あの果てしない空の下
ヒトリヨガリで居たかった

2006/07/31 (Mon)

[254] 
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世界中のきれいなもの
ぜんぶ集めても足りないような
光の渦のなか

あなたと私
ふたりきりで



きれいな水
きれいな空気
きれいな燈

けれども私の目にただ映るのは
あなたの横顔だけで



そこには数えきれない程の命があったのに
そこで息をしていたのは確かに
あなたと私だけで


嗚呼、

このまま
この場所だけを残して
世界が消えてしまえばいいのに




夏が終われば消えてしまう
淡き蛍の燈に照らされ
願ったこと


この想いだけは
どうか消えないで




来年の夏もまた
出会えるだろう


泣きたくなる位きれいな
光の渦のなか

あなたと私
ふたりきりで



2006/07/31 (Mon)

[253] 愛と罪
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君とともに生きること

君の手で死ぬこと


どちらがより倖せだろう


なんて
君の一番深いトコロに僕を刻みつけて残す理由を
模索してみる


どっちに転んだって君は笑ってくれないだろうけど


2006/07/12 (Wed)

[252] いさましい。
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その勇ましい瞳に
私はどれだけ弱く映っているのだろう

聡明なあなたには
私はどれだけ愚かに見えるのだろう


広い世界を夢見る心は
私をどれだけちっぽけな存在と思うだろう



あなたはどこまでもゆく

私を置き去りにして


私はどこまでも追う

その勇ましい背中を


踏み付けられた想い
何度でも拾って


たった一度でもかまわないから
あなたに優しくされたい


愚かしい
弱く、ちっぽけな願い
胸に宿し

何度でも立ち上がる私の姿は
痛々しいほど

なんて勇ましいのだろう

2006/06/26 (Mon)

[251] 馬鹿
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「馬鹿」って言うと
いつも怒るけど

悪口じゃないんだ


そのしょうもない頭で考えて
こんなしょうもない俺を選んでくれたなら


ずっとしょうもないままのお前でいて



これ以上賢くなるな

ああ、お前が馬鹿でよかった


なんて考えてしまう
俺のほうが実は大馬鹿なんだけど

2006/06/25 (Sun)

[250] 恋心
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これはヒドク恋愛に似ている戦争


どれだけ恋しく思わせて
どれだけ泣かせて痛めつけて
どちらが優位にたてるかの真剣勝負


けれども敗れるのは私と
最初から決まっているのです


踏み付けてほしくて生意気を言っているだけ

なじられたくて反発しているだけ



これはヒドク恋愛に似ている戦争

の振りをしたズルイ恋心


私の胸のうちでは

2006/06/17 (Sat)

[249] ヨゴレ
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あなたに出会い
教わったこと


失うことへの慣れ

「こんなものか」と言う方法


ヒトは私を汚いと言う

私は私を汚いと思う


けれども
あなたに汚くされた私は
世界中の何よりも美しく尊いのです

あなたの靴跡ならばいくらでも付けて歩こう

あなたに付けられた傷ならば一生消えなくてもいい

2006/06/17 (Sat)
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