ホーム > 詩人の部屋 > 凜一の部屋 > 君しかいらないのに

凜一の部屋


[114] 君しかいらないのに
詩人:凜一 [投票][編集]

君しかいらないのに
君だけが手に入らない

手を伸ばして
背中に触れる寸前で
いらないゴミばかりが
あたしにまとわりつく

君の人生の中で
いつか訪れるかもしれない不幸を
あたしが消してあげたい

君の人生の中で
いつか犯すかもしれない罪を
あたしは許してあげたい

何があっても
誰かが君を傷つけても
あたしはずっと傍にいるよ

でも

君に届かなければ
こんな覚悟は意味がないの

今まで何度も
手を伸ばしてきたの

他の何かに阻まれても
気付いてほしくて
叫んでいたの

それなのに
あたしの何もかも
君には追い付けなかった

苦しいよ、痛いよ
痺れるほど
君を呼び続けたよ

振り向いてくれるだけでもいい
立ち止まってくれるだけでもいい

息絶え絶えに
君を愛してる
あたしに気付いて

できれば抱きしめて
名前を呼んで


ちっぽけで
壮大な
あたしの願い

それだけが
あたしには全てで



そして今日も手を伸ばす
でも
心の片隅で
届きはしないと知っていて


ああ

ゆれる心が
痛い


君しかいらないのに
君だけが手に入らない

2004/10/02 (Sat)

前頁] [凜一の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -