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凜一の部屋


[153] 染色秘話
詩人:凜一 [投票][編集]

私ね
染まるのは好きじゃない
染めるのは好きだけど

だから
どうしても自分の手で染めてしまいたかった
染まる前に


彼女は切々と
それでいて何でもないことのように
僕に絶望を告げた

知っていてあの男に抱かれたのだ
感染したら終わりだと
知っていてあの男から
死を譲り受けたのだ

僕は彼女の言葉が全く分からないでいたけれど
誰よりも理解できるような気もした

僕も
彼女に染められてしまいたかった

だから
彼女の手を引いてベッドに横たわった
コンドームはいらなかった


幾度でも願うよ
幾度でも絶望を受け入れる


消えない染みを刻もう
この胸に
永遠に消えない染みを
永遠につづく汚れを

君の手で

2004/11/28 (Sun)

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