詩人:凜一 | [投票][編集] |
私ね
染まるのは好きじゃない
染めるのは好きだけど
だから
どうしても自分の手で染めてしまいたかった
染まる前に
彼女は切々と
それでいて何でもないことのように
僕に絶望を告げた
知っていてあの男に抱かれたのだ
感染したら終わりだと
知っていてあの男から
死を譲り受けたのだ
僕は彼女の言葉が全く分からないでいたけれど
誰よりも理解できるような気もした
僕も
彼女に染められてしまいたかった
だから
彼女の手を引いてベッドに横たわった
コンドームはいらなかった
幾度でも願うよ
幾度でも絶望を受け入れる
消えない染みを刻もう
この胸に
永遠に消えない染みを
永遠につづく汚れを
君の手で