詩人:凜一 | [投票][編集] |
あの明るくて淋しい街に
ひとり降り立ち
君は何を想う
ネオンと排気ガスに淀む空
不透明な風をうけて
君はいつから
走れなくなったの
どれだけ地面を蹴ったって
コンクリートに足跡はつかないから
幾度ふりかえっても
昨日頑張った自分には
会えなかったろう
夢追いに疲れて
抱きしめてくれる人もいなくて
電波に頼るしかない自分が
情けなくて
怯えながら乗った満員電車
掴みかけた夢と
募る淋しさを
置き去りにして
ホームに並べば
この街に
溶けて消えられる気がした
あの街が明るいのは
君の夢が彷徨うから
あの街が淋しいのは
君が淋しさを捨てたから
そうやって街は生きる
あの日
満員電車でこっそり泣いていた
君は今
何を想う