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凜一の部屋


[7] ハルへ。
詩人:凜一 [投票][編集]

ハル
あなたを失って
泣いている彼の横で
私はただ
彼を
抱きしめたいと
思っています

大丈夫、大丈夫
病院のベッドで
あなたの肩を抱いて
何度も繰り返したセリフ
大丈夫、大丈夫
夕焼けのバス停で
彼と背中合わせに
何度も、何度も
まるで、自分に言い聞かせているみたいに

ハル
ズルイよ
彼はきっと
あなたを
一生忘れない

報われない想いを抱いて
独りで生きていく
そんな優しい人だから

喪服に身を包んで
あなたのお葬式で
私は泣いていたけれど
彼の震える肩を
ずっと
抱きしめたくて
仕方なかった

2004/02/02 (Mon)

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